大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)1444 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大橋進の上告理由第一点について。

原判決は、その挙示の証拠にもとづき原判決認定の経緯のもとに、日本都市建設

株式会社が、事務を代行していた各土地整理組合の同調のもとに建設省および被上

告人都に対し助成金の増額方を陳情し、建設省および被上告人都では事情諒すべき

ものがあるとして被上告人において組合に交付すべき助成金の追加増額を行うべく

その金額を審査中であり都建設局の見とおしとしてこれは昭和二六年八月中には交

付さるべくその額も七〇〇万円を上廻ると見ていた。そして日本都市建設株式会社

でもそのような見とおしを聞知し都当局からその旨の証明書を得て右助成金を引当

てとして金融を得ようと考え「日本都市建設株式会社立替金交付方に関する件証明

願」(甲第二号証)を提出し都建設局区画整理課長谷口成之も「立替金」を助成金

の趣旨に関する限り証明願のとおり実現する見とおしをもつていたから、これに対

し右証明する旨の文書を記載しこれを日本都市建設株式会社に還付した。日本都市

建設株式会社としては以上の経緯ないし右甲第二号証の趣旨を熟知し、かつ、谷口

課長は上告人代表者と面接したとき右甲第二号証の趣旨について前記の事情を十分

に説明したものであると認定し、右事実のもとでは、都建設局区画整理課長谷口成

之は甲第二号証の発行について虚偽の証明書を発行したものでもなく、また、同人

が上告人代表者に対し虚偽の説明をしたものといえない旨判示しており、当裁判所

も、右判断を正当としてこれを容認しうるのである。�

所論は、甲第二号証が虚偽の証明書でないとするためには証明の対象たる事実す

なわち助成金の額、支払時期などの事実の存否についてこれを認定しなければなら

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ないと主張するが、右甲第二号証の証明の趣旨が原判決認定の趣旨であることを証

明申請者である日本都市建設株式会社において熟知しかつ上告人代表者にその旨を

説明している以上、所論の点を判断しないことは当然であり、原判決に違法はない。

所論は採用しがたい。

同第二点について。

しかし、上告理由第一点において判示したとおり原判決挙示の証拠によれば原判

決認定の事実を認定することができ、原判決には所論のような採証法則の違背はな

い。

所論は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨選択、事実の認定を非難す

るに帰し、採用しがたい。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官

全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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